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こわれかけのオルゴール

2016年10月11日
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(C)ElectromagneticWave

記憶を失ったアンドロイドの少女と家族を失った青年の触れ合いを描いた物語
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今回は「こわれかけのオルゴール」という単発のアニメ作品の感想を書きます。
先日、「Refrain Blue」という美少女アニメの感想を書きましたが、この作品も
似たような感じの作品なのでついでにピックアップしておきたいと思います。
私が視聴したのはAT-Xで放送されたものなのですが、冒頭で映画館内での
鑑賞マナーについてのアニメが流れていたので劇場公開もされたのでしょう。
それにしては映画館内でラジオ体操とか缶蹴りをする人はいないと思うので、
ちょっと変な注意事項になっていた気がしますけどね(笑)


物語は青年がごみ捨て場でアンドロイドの少女を見かけるところから始まります。
その青年がわざわざ拾って電気屋さんに修理してもらおうとしていたから優しい。
ただこの「ペアレンツ」という汎用家電アンドロイドは旧式タイプのものなので、
修理に必要な予備の部品がなくて難しいみたいでしたね。
とりあえず、「ToHeart」シリーズにおけるメイドロボみたいなものと思えばいいかな。

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「・・・・・・お前!?」
「もうすぐ出来ますよ♪座ってください♪」
青年が目が覚めると、アンドロイドの少女が朝ご飯を作ってくれていました。
他にもお掃除や洗濯物もしてくれるし、まるでお嫁さんが来たような感じです。
ただ、料理の腕前だけはもう少し上達した方がいいかもしれませんけどねぇ。
とりあえずエッチな本を見つけ出す能力だけは高そうかな(笑)

ちなみに青年の名前は敬一郎です。
彼がアンドロイド少女に「ふらわー」と名付けてあげていましたわ。
どうやら、ふらわーはカタカナが分からなくて、平仮名しか読めないらしい。

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「らん♪らん♪らんらんらん♪素敵な街ですねぇ~♪」
敬一郎はふらわーを外に連れて行って街の中を散歩をします。
彼女の鼻歌を聞いていると歌も不得意といった感じでしょうか?
あと、お店でお買い物する時にお金の計算も出来ないみたいだから、
家庭用アンドロイドとしてはポンコツレベルなのは間違いないです(苦笑)

ふらわーが敬一郎に一生懸命努力しますと頭を下げていたのを見ると、
二度とゴミ捨て場に捨てられたくない気持ちが伝わってきます。
家庭用アンドロイドの彼女としては、人間のご主人様のお役に立てることが
生き甲斐であり、存在価値があるということを意味するのかもしれません。
こういう健気に頑張ろうとする子は守ってあげたくなるというものですよね。

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ふらわーはラジオ体操で友達も出来て、徐々に人付き合いが広まっています。
敬一郎とは楽しい時間を過ごせて、とても幸せそうにしていたのが印象的です。
ふらわーにとっては敬一郎に拾われて本当に良かったと言えそうですね。
こういうシーンを見ていると、癒し系アニメを見ているような感覚になります。

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敬一郎が昔のバンド仲間と再会した時にまるで避けるような態度をしていましたが、
バンド仲間の男性が敬一郎の事を気遣っていたのを見ると、別にケンカ別れして
疎遠になっていたようには見えなかったです。
明るく振る舞うふらわーとは対称的に、敬一郎の場合はどこか影があるような
暗い雰囲気になっているのが特徴でしょうか。
これは彼の家族が交通事故で亡くなったというところに結びついている感じかな。
ある意味、彼があまり役に立たないふらわーを手元に置いておこうとしているのは、
1人ぼっちになった寂しさを和らげるためなのかもしれませんね。

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「(今日から特訓開始♪)」
ふらわーがいつも物悲しそうにしている敬一郎を元気づけようとします。
そこで彼の好きな歌を聞いてもらうために練習をしていたから偉いと思う。
たとえ失敗ばかりしても、諦めずに努力しようとするのが彼女の良いところ。
それにアンドロイドとはいえ、敬一郎の気持ちを感じ取れるところなんかは
人間以上の感性を持っているように思えます。
そういう彼女だからこそ人間の子供達ともすぐ仲良くなれちゃうのでしょうね。

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「待って・・・・・・待ってください・・・・・・・・・・・・」
突然、ふらわーが機能停止するかのように倒れ込むシーンがありました。
楽しみにしていた海を見に行くのを来年に伸ばされそうになった時には
かなり残念そうな表情になっていたので、おそらく彼女自身は自分の
寿命というものを薄々と感じ取っていたのかもしれませんね。
彼女にとってはご主人様に捨てられることも悲しいけど、二度と目覚めずに
永遠にご主人様とお別れをすることの方がもっと辛そうです。
それが彼女の絵日記の文章からも感じられましたわ。

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「敬一郎さんの子でいさせてください。ずっと・・・・・・・・・・・・。
寂しくないです。一緒なら・・・・・・。ららららら~♪ららら~ららら~♪」

敬一郎はバンド仲間から車を借りて、ふらわーを海に連れて行ってあげます。
最後に彼女の願いを叶えてあげようとするところを見ると、彼女のことを家庭用の
アンドロイドとしてではなく、本当の家族として大切にしている事が感じられました。
ふらわーも最後の力を振り絞って歌を歌ってあげていたのは感動的です。
この2人は実の兄妹のように接していたのは間違いないでしょう。

ふらわーにとっては家族の大切さを知る敬一郎に拾われた事が幸運でしたね。
それは敬一郎もまた同じで、完璧なアンドロイドよりも、ドジだけど人情味がある
ふらわーと出会えたからこそ家族を失った悲しみから立ち直れたと思います。
それゆえに2人が出会った事はただの偶然ではなくて、何か運命的なものを
感じました。
おそらく天国に旅立った家族が1人孤独な敬一郎の事を心配して、ふらわーと
出会えるようにしてあげたんじゃないかなぁって思います。

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ED曲は、佐藤ひろ美さんが歌う「こわれかけのオルゴール」です。
敬一郎が再び音楽に向き合っていたところを見るともう大丈夫そうかな。
これからは彼の心の中にふらわーや家族と過ごした思い出を大切に抱いて、
前向きに生きていってくれそうな感じがします。

AT-X放送版ではこの後にふらわーが他のペアレンツアンドロイド達との
触れ合っている特別映像も放送していましたが、ここでは割愛します。

★総評★
30分間で青年とアンドロイドとの出会いと同居生活と別れを一気に描くために
かなりシンプルな形で描かれた短編アニメでした。
そのシンプルさゆえに、見ただけでは分からない人々やアンドロイドとの繋がりの
奥深さというものを視聴者の感受性に委ねているところがあったと思います。
おそらく30分では物足りなさを感じる視聴者と30分にしてはよくまとめてあるという
視聴者とで評価が別れるような感じになるんじゃないでしょうか。


しかし、元々が同人系の自主制作アニメという点を考慮すると、キャラの描写など
完成度の高さが伺えます。
可愛らしいふらわーの日常を描いた癒し系アニメという部分と、人とアンドロイドの
お別れを描いた切ないアニメという部分を上手く絡ませて描いていたと思います。
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