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想いのかけら

2016年04月20日
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(C)NHK・NEP

復興する街の中で夢に向って成長していく女の子の物語
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最近はNHKを中心に熊本県の地震報道を見る時間が多くなっているのですが、
その合間に「想いのかけら」というアニメが放送されたので感想を書きます。
これは東日本大震災の被災地の復興を応援する目的で制作された作品です。
以前からこの日に放送される事が決まっていたのか、それとも今回の地震で
急遽放送するようにしたのかは分かりませんが、今はあまり賑やかなアニメや
暗いアニメを見る気分じゃないアニメファンもいると思うので、この作品のように
心温まるようなアニメをやってくれると見やすいかもしれませんね。

物語のヒロインは佐藤陽菜(ひな)という中学生の女の子です。
冒頭では仮設住宅に暮らしながら学校に通っている様子が描かれていたので、
彼女の家族が被災者である事が示されていました。

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陽菜はフィギュアスケートの教室に通っていましたが、憧れの羽生選手のように
上手く演技が出来るまでにはまだ時間がかかりそうだったかな、
でもまだ中学生で回転ジャンプを飛んで着地していただけでも凄いと思います。
ただし、もっと上手く飛ぶためにも低カロリーの食べ物で体重管理をしないとね(笑)
まぁこれはフィギュアをやっている子だけじゃなく、女の子ならある程度はみんな
気にしているところはあると思うけど・・・・・・(^ω^)

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陽菜は小学生時代の友達のみちると久しぶりに再会することになります。
「ひなぴよ」、「みちゃりん」という可愛らしいあだ名で呼び合うのが良いですね♪
みちるが遠い仮設住宅に移り住んだ事で中学は別々になったみたいですけど、
2人が感激し合っているところを見ると一番親しい友達なのでしょう。

あと、母校の小学校が建て替えとなるために2年生の頃に埋めたタイムカプセルを
前倒しで返却されることになったわけですが、こういうところにも震災の影響が少し
見て取れました。
この作品は地震のストレートな描写は無いのですが、町の風景や復興の様子で
間接的に地震の被害の大きさを伝えていた印象があります。

昔に存在していた建物を過去形で会話していたところなんかは特にね。

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陽菜は手紙とともに黄緑色のリボンをタイムカプセルに埋めていました。
当然、20歳になる自分への贈り物だから何か思い入れがあるはずなのですが、
もう7年も昔の事なのでなぜそれを入れたのか忘れちゃったみたいでした。
まだ手紙が読めたら理由が分かるのですが、水に濡れて判読できないのは残念。
とにかく、これが何かのキーアイテムになっているのは予想はできるところでしたね。

あと、陽菜はお父さんからみちるの家族が引っ越す事を聞いて動揺していました。
最も親しい友人とさらに離ればなれになるのだから辛くなる気持ちも分かります。
お父さんに八つ当たり気味になっていたところに、彼女の何とも言えないような
複雑な心境というものが感じられますわ。
皆が故郷の町を復興させて住み続けたい気持ちがあるものの、現実問題として
なかなか上手くいかないといった割り切れなさがよく伝わってきます。

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みちる一家は漁協組合の人達に派手な見送りを受けて引っ越しをします。
別れ際にみちるが「必ず帰ってくる」と言ってあげていたのが良かったです。
陽菜が悲しまないように少しでも慰めてあげようとしたように見えます。
小さい頃からの親友だから相手の気持ちがよく分かるのかもしれませんね。
あと、応援メッセージを色紙に書いてプレゼントしていたのも素敵です。
これで陽菜はフィギュアをもっと頑張ろうとモチベーションが上がるはず。

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「これはね。魔法のリボン。陽菜が心細くなってもこれを結べば絶対に
上手くいくの。」

「えぇー!?ホント?」
「そうよ。お母さんの大好きを込めてあるんだから♪」
陽菜が幼い頃にお母さんから黄緑のリボンを結んでもらう回想がありましたが、
これでタイムカプセルに入っていたリボンについて明らかになりました。
つまり陽菜にとってはあのリボンはお母さんの大切な形見になっています。
この時の陽菜も今みたいにケガで練習が出来なくて落ち込んでいたのですけど、
お母さんがそんな娘を優しく気遣ってあげていたのが良かったです。
この作品では親子や親友との心温かい触れ合いを上手く表現していると思う。

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「このリボンを20歳の私にあげたかったんだ。何があっても心細くないようにって。
今、戻ってきたのは、今の私に必要だったからかな・・・・・・?」

お父さんがボランティアの人に頼んで昔の写真を修復してもらったのですが、
その写真を見た陽菜はお母さんの事を思い出して悲しくなっていました。
リボンの事を忘れていたり、お母さんの笑顔を忘れていたりしていたのは、
子供心にお母さんを亡くした辛い現実を受け入れたくなかったのかもね?
立ち直っているように見えても、心には深い傷を負っていた事が伺えます。

それでも、今の彼女は復興していく町とともに前向きに歩もうとしていたから
精神的に強くなったかも。彼女なりに少しずつ成長しているのでしょう。
こういう娘の姿を見れば、きっと天国のお母さんも安心すると思います。
お母さんが落ち込む娘を元気づけたくてリボンを娘の手元に戻るように
導いてあげたのかなぁ?なんて思ったりもしました。

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ED曲は、佐々木李子さんが歌う「想いのかけら」です。

陽菜がお母さんの形見のリボンを身に付けてフィギュア大会に出場していました。
まだ足のケガが完治してないために途中で転倒していましたけど、それでもすぐに
立ち上がって最後まで演技しようとしていたから偉いです。
彼女の演技を見ていると、震災のトラウマから立ち直ろうとする姿とも重なります。
自分の夢に向かって歩んでいこうとする彼女に拍手を送りたい。

★総評★
ヒロインが悩みながらも成長していこうとしている姿を上手く描いていたと思います。
東日本大震災に関係する物語なので暗くなりがちなイメージを持っていたのですが、
街が復興していく様子や被災後の生活にポイントを置いて描かれていたのもあって
明るい希望を感じさせてくれるような雰囲気はありました。
ヒロインが親や親友と心を通い合わせるようなやり取りにも感動させてもらいました。
それゆえに見終わった後にどこか心が癒されるような気分になれた気がします。
まさに復興を応援するというテーマに合った内容になっていたのではないでしょうか。
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